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屋外コンサート会場周辺の低周波騒音課題を“構造“で解決!通気性を保ち遮音する「iwasemi™通気遮音装置」

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役;落合陽一、村上泰一郎、以下「PxDT」)と前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:前田操治、以下「前田建設」)は、PxDTが保有するメタマテリアルをベースとした独自の音響制御技術iwasemiを応用し、通気性を保ちながら低周波騒音を遮断する「iwasemi™通気遮音装置」を開発し、基本性能をシミュレーションおよび実物大実験により確認しました。この取り組みにより、従来の防音対策では実現が難しかった屋外コンサートの会場周辺などにおいて課題となっている低周波騒音に対し、構造による解決の可能性を明らかにしました。

近年、屋外コンサートにおいて遠方まで伝播する低周波音の周辺地域への影響が社会課題となっています。騒音は、近隣住民の生活環境への影響が大きく、コンサート関係者(興行主、運営者)にとっても興行を円滑に行う上で長年、大きな障壁として防音対策が求められてきました。一方で、これまでの防音対策は、騒音を遮断するために施設の通気を犠牲にする必要があり、換気性能や熱環境との両立が困難でした。

この課題解決のため前田建設とPxDTは、PxDTのメタマテリアルをベースとした独自の音響制御技術iwasemiを応用した通気と遮音を両立させる新構造の通気遮音材の共同開発に着手しました。具体的には、従来の遮音対策では実現できなかった特定の周波数帯域をピンポイントで抑制できるiwasemiの特徴を応用し、屋外コンサートで問題となりやすい低周波騒音を低減するiwasemi通気遮音材を開発しました。

今後、以下の領域などへの応用が期待できることから、製品化・実用化を目指し、屋外イベント施設や都市部の大型建築などへの導入を見据えた検証を継続してまいります。

  • 屋外コンサート・フェス会場など、開放型イベント空間での騒音対策
  • 商業施設・スタジアム・工場などの開口部構造への遮音導入
  • 建築外装・防音壁など、通気を要する構造材への展開

また、今回の実証で得られた知見を基に、施設ごとに異なる音響条件や構造的制約に合わせたカスタム設計手法の確立を進めていきます。

今後もPxDTと前田建設は、「iwasemi™通気遮音装置」の実用化に向け、メタマテリアル技術による音環境の最適化を通じて、持続可能で快適な都市空間づくりに貢献してまいります。

前田建設ICI総合センター音環境実験施設での実大装置による性能確認試験

PxDTが開発したiwasemi通気遮音技術は、逆位相に散乱させる構造を持ったメタマテリアルを用いることで、入射した音波と逆位相の音波を生成し騒音を打ち消すことができるため、従来の技術では実現が難しかった「遮音性能」と「通気性」を両立することができます。主な特徴は下記の3つです。

■”空気は通すが音は通さない”iwasemi通気遮音技術について

  • 高い「遮音性能」と「通気性」の両立
  • 素材の選択自由度と加工自由度の高さ
  • 柔軟な遮音帯域

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